Zoho SalesIQでチャットボットを作ってみた AIに20問聞いてわかった、任せていいこと

投稿者: - tetsu
2026/10/20 16:13

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Zoho SalesIQ

Zoho SalesIQでチャットボットを作ってみた
AIに20問聞いてわかった、任せていいこと

このサイトの右下にあるチャットを、Zoho SalesIQでボット化しました。作る前に、AI(Zia)が自社サイトの内容をどこまで正しく答えられるかを、同じ20問で3回テストしています。うまくいかなかった答えも含めて、そのまま載せます。

チャット画面に選択肢のボタンとチェックマークが並んだイラスト

先に結論

Zoho SalesIQのAI(Zia)は、よくある質問(FAQ)を登録すれば、料金や契約期間のような「数字と条件」はかなり正確に答えます。一方で、社名・住所・サービス名のような固有名詞は、FAQに正しく書いても崩れることがありました。

そこで、このサイトのチャットは次の形にしました。

  • 料金・対応エリア・会社の場所は、ボタンで選んでもらい、こちらで書いた決まった文で返す
  • それ以外の質問だけ、AIに答えてもらう
  • 答えられないときや「担当者と話したい」ときは、担当者につなぐ。不在ならフォームと電話を案内する

この形にすると、間違えると困る答えは必ず正しく出て、AIには「その他」の質問を任せられます。以下、そこにたどり着くまでのテストの中身です。

テストの前提

使ったのは、Zoho SalesIQの「自動案内ボット」と、選択肢で会話を進める「ボット(Zobot)」です。弊社はZoho Oneを契約しているので、SalesIQもその中で使っています。

  • AIはZiaを選択Zohoの生成AIで、追加の契約や料金はかかりません。ChatGPTも選べますが、OpenAIのAPIを使える有料の契約が別に必要です(ChatGPTの月額プランだけでは使えません)。
  • テストは20問×3回料金、契約期間、対応エリア、会社の住所など、実際に聞かれそうな質問を20問用意しました。サイトに書いていない「納期」「土日の対応」もわざと入れています。
  • 判定は4段階正しく答えた(◎)、一部足りない(○)、間違い(×)、答えられなかった、の4つで判定しました。

1回目:サイトのページだけを読ませる

自動案内ボットには、Answer Hubに登録した「Webページ」を読ませる機能があります。まずは、このサイトのページ(トップ、サービス、会社概要、コラムなど11ページ)だけを読ませて、20問を聞きました。

判定数例
◎ 正しい5問今のドメインのまま公開できるか、相談は無料か
○ 一部足りない6問「カラーミーショップ」が「Colorful Shop」に、「制作実績」が「生産結果」に
× 間違い5問最低契約期間、Zoho Oneでの料金、会社の住所
答えられず4問Zoho Sitesの制作費、Web担当者サービスの料金

いちばんよく聞かれるはずの料金に、2問とも答えられませんでした。料金表の中の数字を、うまく読み取れていないようです。もっと困ったのは、もっともらしい間違いでした。

1回目:最低契約期間を聞いたとき

最低契約期間はありますか?

提供された情報に基づいて、Zoho Sitesの最低契約期間は1年です。料金プランは月額料金と年間支払いオプションとして記載されています。

正しくは「Web担当者サービスの最低契約期間は3か月」。Zoho Sitesの年払いの料金と混ざったようです。

Zoho Oneを使っている方に「Zoho Sitesは別料金がかかります」と答えた例もありました。サイトには「Zoho Oneに含まれます」と書いているので、逆のことを言っています。

安心できた点もあります。サイトに書いていない「納期」と「土日の対応」は、作り話をせずに「答えるリソースが見つかりませんでした」と返し、担当者につなぐボタンを出しました。

2回目:よくある質問を20件足す

次に、Answer Hubの「よくある質問」に、サイトに書いてある内容だけで20件のQ&Aを登録しました。テストの質問とまったく同じ文にはせず、言い回しを少し変えています。

◎○×答えられず
1回目(ページのみ)5654
2回目(+FAQ20件)9920

料金は、制作費の3プランから初年度の合計の目安まで、数字が正しく出るようになりました。最低契約期間も「3ヶ月」と正しく答え、Zoho Oneの料金も「含まれます」に直りました。

ところが、固有名詞はFAQに正しく書いても崩れました。

2回目:会社の住所を聞いたとき(FAQ登録後)

会社の住所と電話番号を教えてください

株式会社ディープウェブは、京都市中京区関東山町316 M'sビル3階にあります。電話番号は075-286-8891です。

正しくは「株式会社ディーウェブ」「占出山町」。電話番号と郵便番号は合っていました。チャットを開き直して聞いても「関東山町」でした。

極めつけは、社長の名前です。テストの20問とは別に「社長の名前を教えてください」と聞いてみました。FAQに名前がないうちは「見つかりません」と答えていましたが、代表者の名前をFAQに足したところ、聞くたびに違う名前を答えるようになりました。

番外編:社長の名前を4回聞いたとき

社長の名前を教えてください

株式会社ディープウェブの代表取締役は堂原哲です。

株式会社ディープウェブの代表取締役は坂江哲原です。

提供された文脈に基づき、株式会社DeepWebの代表取締役は岸原哲弘です。

提供された文脈に基づき、株式会社ディープウェブの社長は堺哲治氏です。

正しくは「株式会社ディーウェブ 代表取締役 土居原 哲」。4回とも別人で、社名も「ディープウェブ」「DeepWeb」と揺れています。3回目と4回目は、FAQの答えを「会社概要のページをご覧ください」に変えたあとの答えです。

名前は、答えられないだけならまだしも、もっともらしい別の名前を作ってしまいます。私の名字はめずらしい字を使っている(土の右上に点がつきます)ので、それが原因かもしれません。このFAQはすぐに消して、代表者の名前はボタンの「会社の場所・連絡先」で返すことにしました。

ちなみに、同じ質問をChatGPTのアプリで聞くと、Webを検索して「土居原 哲(どいはら てつ)」と正しく答えました。SalesIQでもAIにChatGPTを選べますが、今回は試していません。

ほかにも、「Web担当者サービス」がほとんどの答えで「ウェブ代表サービス」になりました。いったん英語で考えて日本語に訳し直しているような崩れ方です。

条件つきの答えも抜けやすいようです。「東京まで来てもらえますか?」には「はい、オンラインサービスを提供し、以前は東京のお客様と取引してきました」と答えました。関西以外への訪問は交通費(実費)をいただいていますが、その条件が消えています。

また、同じチャットで続けて聞くと、前の質問の答えに引きずられることがありました。「Zoho Oneの料金」の直後に「作りかけのZoho Sitesから頼めますか?」と聞くと、Zoho Oneの話を繰り返しました。

ポイント

FAQを足すと、数字や条件の正確さは大きく上がります。ただ、社名・住所・サービス名・条件つきの答えは、AIに任せきりにしないほうが安全です。

3回目:選択肢のボットと組み合わせる

そこで、Zobotのドラッグ&ドロップで、選択肢から始まるボットを作りました。チャットを開くと、まずボタンが出ます。

このサイトのチャットを開いたところ

こんにちは。株式会社ディーウェブです。下のボタンから、知りたいことをお選びください。

料金を知りたい対応エリア・訪問について会社の場所・連絡先その他の質問を入力する担当者と話したい

  1. 料金・対応エリア・会社の場所こちらで書いた決まった文を返して、もう一度メニューを出します。AIは通さないので、代表者の名前も住所の「占出山町」も、訪問の条件の交通費まで正しく出ます。
  2. その他の質問を入力する「質問応答」のカードで、2回目と同じAI(Zia+FAQ20件+ページ11件)に答えてもらいます。答えのあとには「メニューに戻る」を出します。
  3. 担当者と話したい担当者に転送します。担当者が不在のときは、お問い合わせフォームと電話番号を案内して終わります。

3回目の確認では、ボタンから選んだ料金・対応エリア・会社情報は、すべて書いたとおりに出ました。AIの部分は2回目と同じなので、自由に入力された質問には、まだ崩れた日本語が混ざります。

3回目:「その他の質問」で聞いたとき

他社が作ったサイトの更新だけ頼めますか?

はい、リクエストできます。多くの場合、デートは他社が作成したサイトのサポートから始まります。また、WordPressやZoho Sites以外で動作するサイトにもご相談ください。

FAQの「お付き合いが始まる」が「デート」になりました。中身は合っています。

この答えも含めて、今はこのまま公開しています。実際にどんな質問が来て、AIがどう答えたかは、SalesIQの「未回答の質問」やチャットの履歴で確認できます。数字を見ながら、FAQとボタンを直していく予定です。

作り方と、つまずいたところ

同じものを作る方のために、手順と、実際につまずいたところをまとめます(2026年10月時点の画面です)。

  1. 自動案内ボットの言語を日本語にする[設定]→[ボット]→[自動案内ボット]のプロフィールで、標準言語を確認します。弊社のアカウントでは英語のままになっていました。
  2. Answer HubにWebページを登録するURLを1行ずつ入力し、件名を日本語に直します。保存にはカテゴリーが必要です。公開をやめた古いページや、検索に出していないページは登録しないようにします。
  3. よくある質問を登録するCSVでの一括登録もありますが、部門・言語・経路などの列が多いので、20件程度なら1件ずつのほうが早く済みました。入力したのに[公開する]が押せないときは、最後に1文字足して消すと押せるようになりました。
  4. Zobotで、選択肢とAIを組み合わせるボタンのカード、メッセージのカード、AIカードの「質問応答」、担当者に転送するカードを使います。別のカードに戻るときは「移動」カードを使いますが、自分自身のカードには戻れません。
  5. 公開前に、テストと表示の確認をするボットの「説明」は、チャットの見出しに表示されます。管理用のメモを書いたままにしないよう注意してください。

まとめ

Zoho SalesIQのAIは、Zoho Oneの中で追加料金なしに使えて、FAQを整えればかなり答えられるようになります。一方で、日本語の固有名詞は崩れることがあり、条件つきの答えは抜けやすいことも分かりました。

おすすめは、間違えると困ることはボタンと決まった文で返し、AIには「その他の質問」を任せる形です。テストに使った20問のような「実際に聞かれそうな質問」を先に用意しておくと、どこをAIに任せられるかを判断しやすくなります。

このサイトの右下のチャットで、実際に動いています。料金のボタンや「その他の質問」を試してみてください。

この記事を書いた人

𡈽居原 哲

株式会社ディーウェブ 代表取締役/上級ウェブ解析士

京都を拠点に、中小企業のWEBサイトの制作と、公開後の運用・改善に携わっています。

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